中原 ふゆきの写メ日記

2025年04月20日 11時55分
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届く
セラピストはお体を触らせていただくだけでなく、
お客さまからたくさんの言葉を受け取ります。
また、自分の言葉を受け取ってもらう機会も多いです。
エロにおいても言葉のやり取りにおいても、
大胆さと繊細さ、両方が必要だと思う。
だからこそ、この文章に出会い、今読めてよかった。
というものがあるので紹介します。
『世界の適切な保存』 永井玲衣
短いエッセイが集められた単行本。(僕は小説よりエッセイが好きです)
小題、「届く」
以下引用です。今回は僕の写メ日記というより、引用だけで終わります。
普段本を読まない人にも届いたらいいな。
「伝えるということは、わたしがあなたのところまで歩いていくことである。いや、あなたの中まで入り込んで、じたばたすることである。それが手紙やデジタルメッセージであったとしても、わたしから切り離された何かに情報を載せるのではなく、わたしをわたしから削り取って、あなたの中にまで入り込もうとする。
だから伝えることは、本質的にあなたの領域を侵すことである。それはとんでもない試みだ。どんなに注意を払ったとしても、あなたの魂に腕を突っ込んで、わたしの欠片を届けようとすることになる。あなたの魂は、わたしの熱い腕でびりびりに破けて傷つくことだろう。
わたしたちの心は、思いは、原理的に伝わらない。だが、届いてしまうことはある。届いたことを感じられるときがある。届けられてしまったと、痛む魂をふるえる指でおさえるときがある。あなたの思いのすべてはわからない。だが、あなたの腕がわたしの魂に入り込んだ、その痛みを感じている。あなたの欠片がわたしの魂の奥まで分け入ってしまって、もう自分では取り出すことができない。指でまさぐって探すが、ひどく狭くて見つけられない。なぜあなたはこんな場所に入り込めたのかと、不思議にさえ思う。
『わかるよ』『伝わった』などといった軽率な言葉を返すことを、わたしたちはおそれる。だから『わかる気がする』と言ったりして、何とかもがこうとする」
(中略)
「だがやはり、言いたくなる。
『伝わったよ』
本当に伝わったかどうかなんて、わかるはずもないのに。それなのに、言ってしまう。
あなたの差し出した欠片が、わたしの中にやってきて、とどまっているということ。何かは完全にはわからないが、たしかにそれがわたしにやってきたということ。そういうときにこそ『伝わった』『わかった』とわたしたちは言ってしまう。あなたが入り込んだせいで、わたしの魂はずきずきとした痛みを感じている。
洋梨にナイフを刺せば抱擁の名残りのように芯あたたかし (東直子)
やわらかく果汁がしたたる洋梨にナイフがじっくりと刺し込まれるように、わたしの魂にあなたが届く。それはどんなにやさしく刺し込まれたとしてもナイフであり、異物である。しかし、抱擁の名残りのようにあたたかさを感じる。
あなたとわかりあうことはできない。わたしの痛みと、あなたの痛みは違っている。共有することはできない。だが泣きたくなるようなあたたかさを感じている。あなたの何かがわたしに届いてしまったことだけがわかる。そのかぼそいあたたかさの記憶だけで、わたしたちは生き延びることができる」
コメント一覧
匿名希望 さん
例えば悪口や批評がナイフのようにグサッと自分を傷つけるような感じを覚えたことはあっても、
会話している相手の新しい価値観とか考え方が自分を優しく刺す痛みに感じる、だなんて思ったこともなかったです!
読んでみます!
匿名希望 さん
匿名希望 さん
共感できるところもあり、思ったり、考えたりしなかった事もあり。様々考える時間になりました。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
抽象的で、掴むのに苦労する文章です、、、
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
相手への想いが強い分だけ、もどかしかったり切ない気持ちになることも。
けどその人との触れ合いや、発してくれた言葉で、はっきりとは分からない「何か」が伝わってくることは確かにある気がします。
それはちょっぴり切ないけどあたたかくて、思い出すだけで胸がいっぱいになるような…
ナイフみたいに痛かったとしても、そこにあたたかさがあれば幸せになれるし、そのあたたかい欠片はずっと残っているんだと思います。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
普段文字を読むのを苦手にしていたのに、これはおもしろくて、するする読めます
素敵だなと思った箇所は、マーカー引いてます
読み始めだから、まだここにはたどりついてないから、楽しみにしとこ
匿名希望 さん
匿名希望 さん
コメント拝読するだけでも、これだけの受け取りかたがあるんだな、いいな。受け取れませんでした、も示してくださるのいいな。って思いました。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
ゆっくり読んでみたい本はけっこうあります。
タイトルで惹かれてしまうかな。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
この本に興味持ちました、読んでみますね。
匿名希望 さん
偉い!!
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
だから、同じ土俵に上がらないひとと話しているととても哀しくなる。
でも、その人にとって同じ土俵に上がるメリットがないこともわかる。
それでも、伝えてみたんだけどな。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
ゆっくり、じっくり読んでみたい
時々止まって
いろいろ想い巡らせながら。。。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
文化人類学がすきなので、太古に人類が「あっちから獲物くるぞー」と共同体の生存維持の為に使い出した言葉が、令和ではこんな繊細な使われ方してんのかーと落差につまづきそうになりました_(┐「ε:)_コテッ
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
こうやって、写メ日記のコメントをしたり、口コミ投稿したりと文字で伝える事をしていますが、セラピストさんたちに伝わっているのか少し不安になったりします( ノ ̫<。 )
でも、投稿しないと思いを伝えるためのキッカケに繋がらないので、自分なりにはなりますが、勇気を持って投稿し続けていきたいです(๑•̀ㅂ•́)و✧
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
読んでみようかな
匿名希望 さん
匿名希望 さん
伝えた気でいてもそこまで達してないと寂しくなる…
本を読んでみたくなりました。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
亡くなった人のことを思い出しました。「伝えたかったこと」と、私が「伝わった」と思っていたことは、どれほど同じなのか…。思い出と感覚はあるのに語彙力が無さすぎてうまくコメントができません。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
でも、セラピストさんの欠片を魂に入れたお客さまはとても幸せですね!
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
痛みの中にあたたかさを感じる、っていいなぁ
匿名希望 さん
匿名希望 さん
コメントするのとても悩む
この言葉もふゆきさんの心にナイフ刺しちゃうのかしら
そう思うとより一層
話す言葉や書く文章は慎重に選ばないとと思う
話してる側から離れた言葉が
相手にどんな影響を与えるかわからないものね
匿名希望 さん
私には出来ないので、誰かが表現してくれるとスカッとします。
ありがとうございます!!
匿名希望 さん
ポチります。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
って歌詞が好きなんですが、なんとなく勝手に繋がった気がします笑
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
私「分かったよ」「伝わってます」
結構言うてしまってます。
そのつもりでいたんやけど
本当は安易に使ってはいけない言葉なんだろうか…
自信なくなりますね
匿名希望 さん
匿名希望 さん
失礼ですみませんでした。
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
人と人が通じ合うって、どんな言葉にも説明不可能な不思議な何かがあって、それが無ければ、電車の窓から過ぎゆく外の景色と同じ。流れるように薄れゆく記憶。まるでナイフが刺さるくらいの心の痛みも、もどかしさも、時間と共に治癒されればいい。遠くなった痛い記憶は、時と共に輝く宝石に変わる。一番輝く宝石に…。
匿名希望 さん
特に女風は特殊ですから、そんな事が
一般日常よりかはありそうですが…
まだ経験ないなぁw
そういうわたしとあなたの状態を作れているセラピストさんがいたから、感激してしまうw
伝えないといけないんでしょうが、
察してという気持ちも汲み取って頂きまいw
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
匿名希望 さん
私たちもセラピストさんから色んな言葉を受け取ります。買って読んでみます!
匿名希望 さん
匿名希望 さん
勇気がないと
伝えることすらできない
匿名希望 さん
読んでみたくなりました